■レザーオールソール JRオークバーク使用
18,500円(税込)
■各種オプション
・ヒドゥンチャネル(縫い溝隠し) 2,500円(税込)
・ソール半カラス仕様 1,500円(税込)
シェットランドフォックスのストレートチップ。
ドイツのタンナーJoh.Rendenbach、通称JR(ジェイアール)のオークバークでオールソール修理です。
昨年末に持ち込まれたこちらの靴ですが、有無を言わずJRでソール交換とのご注文。
聞くと「JRが倒産すると聞いて」・・・との事でした。
この業界に居ながら、お客様からこんな重大な情報を頂くとは恥ずかしい限り。
一部の相当な革靴好きの方以外はあまり知らないと思いますが、世界中の靴を製造している業者や靴修理を生業にしている僕らにはかなり有名なタンナーだったので、この倒産は衝撃的なニュースです。
イギリス、アメリカ、ドイツなどなどの高級靴を製造しているメーカーは、最高級ラインの靴にこの革を使います。
15年程前から日本でもJRが出回ってきたと記憶していますが、強度が抜群で下手なラバーより長持ちします。
また、品質が安定しているので使いやすかったのですが・・・。
革靴不況の上、コロナも影響しているのでしょうか?
製造ラインやレシピは別のタンナーが買取り、引き続き革を鞣していく様ですがどの程度の素材になるか分かりません。
当工房にも数足ストックがありますので、よろしければ靴をお持ちください。
上位のシェットランドの靴はアウトステッチが二部構造になっています。
土踏まずより前→ダシ縫い
土踏まず部分→マッケイ縫い
これはビスポークシューズに見られるベベルドウエストを模して、それをレディメイドで可能にするための手段だと思っています。
ベベルドウエストとは?ですが、まず土踏まずのあたりを靴用語としてウエストと表現します。
靴を上から見たときにこの部分のソール+ウェルトが見えず、アッパーにあたかもくっついている様に見せる意匠です。
こんな事をレディメイドのラインでやったら、その手間の分靴の金額が跳ね上がりますからね。
言葉で表現するのが難しい意匠なので、ベベルドウエストで画像検索をすると見れますよ(笑
シェットランドではダシ縫いを掛ける部分だけウェルトを付け、ウエストの部分はソール一枚にしてベベルドウエスト風を表現しています。今回はそういったところも真似て作業。
ちなみに、インソールを見ると後ろの方だけマッケイが掛かっているのが見られると思います。
※スライドして別の写真をご覧いただけます。
それにしても、ヒドゥンチャネル、ベベルウエスト(風)、半カラス、爪だしコバ、ピッチドヒールまでやると靴の雰囲気が一変しますね。
高級感がグッと増します。
それがJRだと一入ですね。
■ブランド紹介■
SHETLAND FOX シェットランド フォックス
リーガルの最上級ラインとして位置するシェットランドフォックスは、リーガルがまだ日本製靴という社名だった頃の1982年に誕生します。
コンセプトは、「日本で世界に通用する最高級ブランド」を製造すること。
10年ほど シェットランドフォックスのネームで製造販売されていましたが、一度そのブランド名での生産は終了しています。
その後リーガルはライセンス契約を取得したジョンストン&マーフィー(以下"J&M")の製造をスタートさせていますので、こちらを最上級と扱って製造していたのかと推察しています。
もっとも、この間にオーダーでリーガルの靴を造れる旗艦店REGAL TOKYOも開店していますので、増えてきたブランド数の位置づけなどを分散させたのかもしれません。
ただ、2008年にこのJ&Mのライセンスを手放すと、翌年2009年にシェットランドフォックスを再登場させています。
現在では既出の「REGAL TOKYO」や、少しカジュアルながら造りは確かな「Shoe & Co」などもありますので、リーガル内での最高峰はどこだ?と言われるとはっきりとは言えませんが、上記のような流れからリーガルに於けるシェットランドフォックスの位置づけは上位に位置する事は確かでしょう。
どちらにせよ、質のいい靴を作り続けていることだけは確かです。
それにしても、再スタートからもう10年以上経つんですね。
shoe repair ROOST (シューリペア ルースト)
愛知県名古屋市千種区四谷通2-8 YOU YOTSUYA 2F
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CLOCE 月曜日、火曜日
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